「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の紹介レビュー 生徒たちがコロシアイをする推理アドベンチャー

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ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生ってこんなゲーム

日本のスパイク・チュンソフトが開発した学園推理アドベンチャー

あらすじ

超高校級の才能を持った者だけが入学を許される高校「希望ヶ峰学園」。ごく普通の一般人で特にこれといった取り柄もない苗木 誠(ナエギマコト)は、超高校級の幸運の持ち主として全国の抽選で選ばれるが・・・。

意気揚々と向かった入学式で苗木を待ち受けていたのはイメージ通りの華やかな学園ではなく、謎のぬいぐるみ「モノクマ」によって支配された監獄

幽閉された新高校生たちは、モノクマが決めた「コロシアイ生活」のルールに則って学園で暮らすことになり、このまま学園で一生を過ごすか、あるいは誰かを殺して学園から出るか、という恐ろしい選択を迫られることになる。

登場キャラが全員主役級

登場するキャラたちは超高校級の何かしらの特徴や能力を持っており、性格も個性的で内面にも更に一物を抱えていたりとにかく癖が強い

最初は薄っぺらく見えていたキャラでも事件でまた印象が変わってくる。犯人と被害者それぞれに深い事情があり、事件の真実が明らかになっていくと親しみが持てる良いバランスになっている。

そして全員が主役級でキャラを覚えやすい

他ゲームなら15人 + 1体も主要キャラが出てきたら頭がこんがらがって話についていけなくなりそうなものだが、本作は登場人物が多くても内容が頭にスラスラと入ってくる。

序盤だけはどうしても自己紹介的な展開が続いてしまい若干ダレてしまうが、それ以降のキャラひとりひとりの見せ方がとても上手かった。

ゲームの流れ

事件の進行具合で、日常パート→非日常パート→学級裁判パートと進んでいく。

日常パートは殺人事件が始まるまでの時間で、主に探索と交流によるキャラの好感度を上げるパートになっている。

本編だけでは伝わらないキャラのプライベートな部分が知れるという点は面白いが、人がどんどん減っていくデスゲームのシステムとは相性が悪いような気もした。

せっかく好感度を上げていたキャラがMAXにする前に突然いなくなるのは、事件発生以上にショックがでかい。

事件が発生すると非日常パートへと移る。

ここは逆転裁判シリーズの捜査パートとほぼ変わらない。重要人物にアリバイを聞いたり事件現場を捜査して手がかりを見つける、というもの。

推理物では定番のポイント&クリック形式だが、自分で捜査している体験がしっかり味わえるシステムで、目新しさはないけれどこれがやっぱり面白い。

アクションと推理の融合

学級裁判パートでは仲間同士で討論を行い、推理とミニゲームの両面から事件の犯人を特定する。

推理の難易度は低め。というのもとある仲間の推理力が突出していて、その人物のアドバイスに沿って推理するだけで事件の謎が解けるようになっている。

なので本格的な推理ゲームを期待すると物足りないかもしれない。個人的には仲間と共に事件を解決していく感じがとても好きで、謎解きの方はちょうど良い内容だった。

学級裁判パートは全体から見ても比重が大きくチャプターによっては1時間ほどかかるものもあるが、推理する場面ではミニゲームという形でダレないよう工夫がされている。

公式で「ハイスピード推理アクション」と位置付けされているように、ミニゲームはアクション付き。名前だけ聞くと「なんだか忙しそう」という印象を受けたが、実際はそこまでスピード感を求められないし推理する時間もたっぷりと用意されている。

良かった点

・推理とアクションが見事に融合した他では見られないユニークなゲーム性
・一度見たら頭から離れない強烈なキャラクターたち
・二転三転する物語、良い意味で何度も予想を裏切られる展開で読み進めるのが楽しい
・声優キャストが豪華、ただしフルボイスではなくリアクション音声や一部のテキスト読みだけ

微妙だった点

・一人称視点の移動がもっさりしている
・好感度システムとデスゲームの相性が悪い
・他の人物がいとも簡単に事件の謎を解決していくので、推理ゲームとしては物足りない

 

総評

86/100

モノクマの声優さんはドラえもんだし絵柄もポップだからもっとマイルドなデスゲームかと思いきや、お仕置きは非常に残忍で目を背けたくなるしキャラクターと物語共に内容が濃くてとても刺激的なゲームだった。「逆転裁判シリーズ」と比較すると、推理がアクションになりミニゲームなどのシステムに寄っている。内容は一癖も二癖もあるがこちらもなかなかの名作だと思う。推理要素があるADV好きな人にはおすすめ。

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