島根で謎の失踪を遂げた文通相手を探しに行くミステリーノベル「√Letter – Root Letter -」の紹介レビュー

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√Letter – Root Letter -ってこんなゲーム

角川ゲームスが開発・発売したミステリービジュアルノベル

島根県を舞台に、サラリーマンの主人公が謎の失踪を遂げた高校時代の文通相手を探しに行くという内容。

『ラブプラス』シリーズで知られる箕星太朗氏が企画とキャラクターデザインを担当、全編フルボイスで声は皆口裕子さんや井上喜久子さんら豪華声優陣が起用されている。

 

あらすじ

主人公は友達に『マックス』というニックネームがつけられるほど熱い性格の男。

マックスは自分の部屋を整理していたときに、未開封の手紙を発見する。送り主は15年前のペンフレンド『文野亜弥』からだった。

今さら未開封の手紙が見つかるのも奇妙だが、その手紙の内容も「人を殺してしまったので罪を償います」と衝撃的なもの。

マックスは急いで島根県にある亜弥の住所へと足を運んでみるが、そこで文野亜弥がすでに亡くなっていることを知る。それもマックスと文通を始めるもっと前の25年前に。

謎が深まる中、マックスは手紙によく出てきた亜弥の友人たちの話を思い出し、真相を知るため島根にいるであろう彼らを探すことになる。

 

コマンドで行動を決める

探索パートでは「移動」「調べる」「聞く」といったコマンドを選択して行動する。

延々と読み進めるタイプと違って操作もちゃんとするタイプ。なのでノベルゲームのわりに結構忙しい。ヒント機能として「考える」というコマンドもあるので、行き詰まることはほぼ無い。

 

リアルな島根を観光

舞台が島根ということで宍道湖や八重垣神社など観光スポットの寄り道も楽しめる

また、名前こそ変えられているが登場する店も島根に存在するお店で、聖地巡礼している人たちの写真を見る限り、実際の店主やメニューが出てくるなどそのあたりの作り込みは凄いの一言。

 

相手を追及して情報を聞き出す

友人らは『文野亜弥』について聞こうとすると皆して口を閉ざすのでここから追及パートに入る。追及パートでは秘密を隠している相手に対して『逆転裁判』のように会話でゆさぶってみたり証拠となるアイテムを突きつけていく

アイテムや会話を5回間違えてしまうとゲームオーバーになってしまうので慎重に。

最後にマックスモードで熱い一言を決めれば相手は観念して色々と話してくれる。

 

やりこみ要素

一週目は一本道だが、その後に他4つのエンディングが追加されていく。最初のルートと真エンディングのルートが正史で、他はifのストーリーといった感じ。

フローチャートではないけれどスキップ機能があるおかげで二週目以降はさくさく進められる。

良かった点

・ストーリーは悪くはない
・フルボイス
・島根を観光した気分になれる
・5つのマルチエンディングなどのやりこみ
・全エンド合わせて20時間近く遊べるボリューム
・心地良い音楽と風景

微妙だった点

・軽薄な主人公の言動(人に会う前にその人が嫌いな物を買っていく脅す気満々の態度や相手の娘に親の秘密をばらそうとする)
・PVと違ってそこまでサスペンスっぽくない
・謎解きより友人を探すことがメインで少し退屈に感じる

 

総評

57/100

PVから感じた本格的なミステリーはなくちょっとしたミステリーノベル。震え上がるようなサスペンスを期待したけどそこは少し拍子抜け。マックスが熱い性格のわりに人を追い詰めるやり方が姑息で設定とうまく合ってないように感じた。この主人公がプレイヤーに合うかどうかで評価が分かれそうなところ。

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