多種多様な人種が住む世界の種族間の争いを描いたJRPG「Astria Ascending」のレビュー

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Astria Ascendingのトレイラー動画

Astria Ascendingってこんなゲーム

概要

・多種多様な人種が住む世界の種族間の争いを描いたJRPG。
・フランスに拠点を置くArtisan Studiosが開発、2021年9月30日にリリース。

あらすじ

舞台はかつていくつかの種族が文明を発展させ争いが絶えなかった大地オルカノン。

現在では、12人の調停者がこのオルカノンを統治し、この地に住む者全員が「調和の実」という魔法の果実を食べることで種族の垣根を越えて交流していました。それから1000年の間は戦争もなく平和が保たれてきましたが、そんな調和のやり方に異を唱える者が現れ始めます。

海中での暮らしを捨てざるをえなかったペスカ族、高く飛ぶことができなくなった翼を持つアウィシー族など調和の実を食べることの代償は大きく、環境の変化により種族の誇りを失ったと感じる者は少なくありませんでした。

プレイヤーは世界の調和と均衡を保つために女神から選定された部隊「第333デミゴット」を指揮して調和の実を食べない不実の者を倒し、世界各地で起こる反乱を鎮めるために冒険に出ます。

デミゴットは調停者によってゾディアックリングという強力なパワーを授けられますが、3年で任期を終えた後は全員が消滅します。ゲームでは2年と9ヵ月が過ぎたところから始まり、デミゴット部隊とそのメンバーが消滅するまでの残り3ヵ月の物語が描かれています。

フィールド

マップ画面ではフェドラに乗ってさまざまな種族の街やダンジョンに行くことができます。

ダンジョンの奥には神殿があり、各地にある神殿を巡って眠っている聖獣を仲間にすると戦闘中に召喚できるようになります。

ダンジョンの中は複雑に入り込んだメトロイドヴァニア風の構造になっています。探索し、宝箱を開け、仕掛けを解き、奥にあるゾディアックパワーを獲得すると新たなアビリティが使えるようになり、空を滑空したり像を呼び出して自分の代わりにスイッチを押してもらったりというようなことができるようになります。

戦闘

敵のシンボルに触れると戦闘に突入。

このとき剣で敵シンボルを攻撃すると先制攻撃の発生率がアップし、奇襲された状態で戦闘が始まります。

デミゴットのメンバーは8人おり、そのうち4人を戦闘に出して敵と戦います。控えのメンバーとはいつでも交代が可能。

戦闘はオーソドックスなコマンド式バトル。

攻撃には物理・炎・氷・土・風・水・雷・闇・光と属性があり、耐性によって攻撃を吸収したり弱点を突くことができます。

弱点を攻撃するとダメージが2倍になる上に2フォーカスポイント(FP)を獲得します。FPはパーティーで共有し、FPを消費して攻撃すると普通に攻撃するより大きなダメージを与えられます。

強化

各キャラはベースジョブが最初に1つあり、ストーリーが進むとメインジョブとサブジョブを設定して、違うジョブのスキルも覚えられるようになります。

例えばアラシアというキャラならベースは召喚師で、その後に白魔術師、時間術師、錬金術師のどれか2つまでメイン・サブジョブにしてそれぞれのスキルを覚えていきます。

各ジョブにはアセンションツリーがあり、戦闘で得られるSPでスキルやステータスアップのノードをアンロックします。

ゲームの操作

ゲームコントローラー、マウスキーボードで操作します。

良かった点・微妙だった点

良かった点

・キャラの背景や設定が細かく、一人一人にフォーカスして深掘りされていくストーリー
・選択してステータスや能力を上げるので育成で個性が出る
・JRPGらしいゴージャスな音楽
・日本語対応(吹き替えあり)

微妙だった点

・バグが多く、バグったままセーブしてしまうと進行不可になる致命的なバグもある
・戦闘のテンポがとにかく悪い
・魔法職があるキャラ以外の使い勝手が悪い
・探索は構造の似たダンジョンが多くてマップが見づらい
・サポートジョブの表記があるのに実装されていない
・解像度が変えられない、強制フルスクリーン

Astria Ascendingをプレイした感想まとめ

Xbox Game Passでプレイして42時間でクリア。

バグの多さと戦闘と探索のシステムにこれといって良い部分がなくJRPGとしての完成度はイマイチです。戦闘は終盤になると状態異常攻撃が多くなり、◯◯がスタン中、◯◯が呪われているといった表示時間が長くてテンポが悪く、高確率で1体は物理や属性無効の敵が出てきて、これも戦闘時間を伸ばしてきます。やろうとしていることはオクトパストラベラーと同じだと思うんですが、どの武器も物理のひとくくりで管理されているため武器を持ち変えて弱点を突くといったことができず、一部のキャラ以外はフォーカスポイントを貯めるのが難しいです。
ストーリーは世界観がハイファンタジーなので聞き慣れない用語がたくさん出てきて最初は話についていくのが大変かもしれないですが、物語自体は単純明快な話になっていて、中盤ぐらいから面白くなっていきます。キャラの描き方や設定は日本のRPGには無いものがあってそこは楽しめるかなと思います。海外産のJRPGがやりたい人にはおすすめします。

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