寡黙な男と白髪の少女が崩壊した世界を冒険するアドベンチャーゲーム「Eastward」のレビュー

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Eastwardのトレイラー動画

Eastwardってこんなゲーム

概要

・寡黙な男と白髪の少女による終末世界の冒険活劇。
・中国の上海に拠点を置くPixpilが開発。3人で開発を手がけ2021年9月16日にリリース。

あらすじ

タタリによって崩壊した世界。

主人公は寡黙な鉱夫ジョンと採掘中に偶然出会った少女の珊(サン)。

2人は薄暗い地下の町ポットクロックで親子のように仲良く住んでいました。町は町長が厳しく監視し、「地上に出れば災いが起こる」「地上は死の国だ」などと根も葉もない噂を立てて民衆を支配しています。ところが珊はそんな噂話には耳を貸さず、ジョンと共に青い空を夢見て地上を目指すことになります。

こんな感じで一章は地下から地上に。物語は章立てて進行していきます。

ゲーム内容

ダンジョンでは戦闘とパズルを攻略。

ジョンはフライパンで敵を攻撃し、爆弾や火炎放射機などのアイテムを使うことができます。サンは攻撃はできないんですが、神秘的な能力で敵の行動を封じることができます。立ちはだかる敵やギミックによって、この2人を適宜入れ替えながら攻略していくことになります。

HPは2人で共有。操作キャラだけじゃなくパートナーも攻撃に当たらないように注意する必要があります。


ジョンが作った料理は回復アイテムとして使うことができます。

料理のレシピは人に教えてもらったり、素材を鍋に入れて手探りで見つけることもできます。料理中はスロットで同じ図柄を揃えるというミニゲームが始まり、うまく図柄を揃えると★が付き効果が加算されます。

戦闘では回避や防御行動がないため、中盤以降は回復アイテムがないと結構つらくなっていきます。逆にいえば、回復アイテムさえしっかり準備していればごり押しで攻略していくこともできるゲームです。

ゲームの操作

ゲームコントローラーの使用が推奨されています。

良かった点・微妙だった点

良かった点

・ドット絵で細部まで美しく描かれている
・終末世界だけどあたたかみのある世界観
・ジョンの優しさやサンの無邪気な子供らしさを感じるキャラ描写
・ミニゲーム「大地の子」がミニゲームのレベルを越えた作り込み
・日本語ローカライズが完璧

微妙だった点

・旅の目的がなく、継ぎ接ぎされたようなストーリー
・戦闘があまりにも単調
・移動が遅い、街の中だけでもファストトラベルかダッシュは欲しかった

Eastwardをプレイした感想まとめ

25時間でクリア。

街の背景やキャララクターの動きや表情が豊かで、見た目の作りの細かさは本当にすごいです。退廃的な世界でありながらあたたかみも感じる世界観、すべて綿密なドット絵で描かれていて、これを見るだけでも買う価値はあったかなと思います。最初は街を歩くだけでもワクワクできました。しかし、戦闘とパズルは正直楽しくありません。戦闘は単調な上、キャラが成長することはなく固くなっていく敵を倒すのがただただ面倒になっていきます。ボリュームがある分、退屈な戦闘とパズルが楽しさから次第に苦痛に変換されていきます。ストーリーは行き当たりばったりの展開ばかりで、メインストーリー中に主人公たちは大きな目標を見つけることはできず、目的のない旅を続けてサブクエストを繰り返しやっているような気持ちになりました。
ドット絵による描写は凄まじい出来で、ゲームプレイを通じて本作にかける作者の熱い気持ちが伝わってくるものでした。しかし同時に、その情熱が他のところにも注がれていれば・・・という気持ちにもさせられる、なんともいえない惜しい作品に仕上がっているように感じました。本作の魅力は見た目と雰囲気に集約されているため、美麗なドット絵が好きな人には間違いなく楽しめるとは思います。見た目で気になった人にはおすすめします。

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