「Grey Lucidity」の紹介レビュー 呪われた町から逃げるホラーノベル

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Grey Lucidityってこんなゲーム

インドネシアのMiracle Gates Entertainmentが開発した、呪われた町からの脱出を目指すホラーノベル

あらすじ

製薬会社が秘密裏に研究していたウイルスが漏れだし、平和に暮らしていた人々が狂気と化したローズベリータウン。政府は感染が広がることを恐れて町を完全に封鎖したため、取り残された人の多くは亡くなり、人を襲う感染者だけが町をうろつくという恐ろしい状況に陥ってしまう。

感染症が町に蔓延してから一年。今や町に残っているまともな人間は、博士である父親からワクチンを射たれた女の子カサンドラただ一人。しかし彼女にもまた危険が迫っていた。約一年もの間、安全なシェルターで隠れながら生活していたカサンドラだったが物資がとうとう底を突いてしまい、助けを求めて外界へ出ることを決心する。

ゲームプレイ

テキスト中心でプレイヤーが行動を選んで物語が進んでいく選択式ビジュアルノベル

物語はカサンドラが悲劇の真相を明らかにしつつ町から出るまでの奮闘ぶりが描かれている。旅の途中、幾度となく感染者と対峙し、選択肢を間違えると即バッドエンドとなる容赦なしのゲーム性。ホラゲとしては、びっくり系に頼らず絵と音楽で不気味さを巧みに演出していて、作りはぎこちないながらも好感は持てる。

残念だった点としては、まず翻訳の質

ローカライズは機械翻訳でギリギリなんとか意味が汲み取れるレベル。そのため普通に読む分にはそこまで問題なかったが、選択する場面では時間制限があり、内容をしっかり把握する時間がなくてちょっと困った。

選択肢は「画面に出てくるテキスト」を直接クリックする、というもので感染者と遭遇したら先に進める正解は一つしかない。

その重要な選択肢が難問で「逃げる」or「逃げた」など機械翻訳なことも相まって違いがわかりにくく、また正解に導いてくれるようなヒントもなし。感染者を前にして出てくる選択肢が「生きたい」や「信じる」などプレイヤー側が考えても仕方ないようなものばかりで、バッドエンドのCGが選択肢の内容と関係がなく使い回しなのがまた残念なところ。

良かった点

・短いながらもドラマティックに描かれたストーリー
・絵や音楽は恐怖に満ちていて良い
・選択肢によってルートが若干分岐
・日本語対応(機械翻訳)

微妙だった点

・どれも意味がないように見える選択肢の内容
・バッドエンドの使い回し
・音量など基本的な設定ができない
・スキップしてもテキスト送りが遅い、選択肢場面では1秒で時間切れになる

 

総評

21/100

絶望的な状況がひさひしと伝わってくる雰囲気は良いが、システム周りが不親切で、選択肢の面白味がいまいち感じられなかった。クリアするまでに10回以上やり直したので忍耐力もそれなりに必要。ホラーノベルが好きで簡単にバッドエンドになってしまう理不尽さが気にならない人には良いかも。

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