「7Days Origins」の紹介レビュー 死後の世界で試練を乗り越える選択式アドベンチャー

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7Days Originsってこんなゲーム

韓国のBuff Studioが開発した、生と死の狭間の世界で試練を乗り越える選択式アドベンチャー

ゲームプレイ

死後の世界を舞台に、主人公の少女「キレル」の物語を追っていくゲーム。

この死者の世界ではキレルの他にも死んだばかりの人が何人かおり、成し遂げたら復活できるというご褒美をエサに各々に違う試練が与えられる。キレルの試練はコンパスに従って「とある場所に向かう」だけ。ただしもらったコンパスは普通の物ではなく、参加者の誰かが死んだ時にその方向を指し示す。

他の者たちも他人の死に関することや危険が伴う試練が待ち受けていて、自分が生き残るために他人を蹴落とし合う「デスゲーム」っぽい内容になっている。

文章を読み進めていくのが主なゲームプレイで、他の人たちとの会話のやりとりはメッセージアプリ風に表示される。

キレルの発言や行動はすべてプレイヤーが決めるので、アドベンチャーゲームとしては珍しく選択の自由度が高い。キャラクターたちが紡ぎだす物語をただじっと眺めて見届けるというよりは、プレイヤーが主体的に物語を揺さぶっていくゲーム性になっている。プレイヤーが選択したキレルの一つ一つの言動はどれも重要で、他の人からの好感度が増減するほか、誰に与するか、誰を倒すか、どこに自分の身を置くかが決まっていき、それによって後々のエンディングにも影響する。

また、キレルが一回発言する度にオートセーブされるため、好感度が下がったからと発言前からロードしたりはできず、物語との一期一会感が強めに感じた。

試練の期日はたったの7日間。キレルたちは生前の記憶がないのだが、1日終わるごとに過去のことが夢として出てくる。

これによって参加者らは徐々に記憶を取り戻していき、取り巻いている環境や人間関係もまた変化していく。

良かった点

・訳ありのキャラクターたちばかりで、過去のことや真相がわかってくると面白い
・自分で発言をすべて決めるので進んだルートにも納得感がある
・会話のテキスト、キャラクターや背景のビジュアル、雰囲気が良い
・過去ログが見やすいタイムラインや、出会った人のことが記録されていく図鑑付き
・マルチエンディング
・日本語対応

微妙だった点

・2週目以降も最初からやり直しなので、全エンディング回収がちょっと面倒
・オートセーブのため選択肢を間違えたりタイムラインに載らないセリフを見逃しても戻れない

 

総評

62/100

他キャラクターとの緊張感のある腹のさぐり合いや時には重大な決断に迫られることもあり、話が面白くてのめり込めた。ダークだけど温もりもある人間ドラマ。一週目ではキャラとの関係が浅くてわからなかったことも二週目、三週目でわかるようになり、出会うキャラクターの順番が変わってまた違う展開が楽しめる。翻訳の質も高め。テキスト枠から文字が少しだけはみ出たりするところはあるけれどそれほど問題なく読みやすい。ちょっとデスゲームっぽさもあるのでそういった物語が好きな人にはおすすめしたい。

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