「Strange Horticulture」の紹介レビュー 薬草師が奇妙な事件に巻き込まれていくオカルトミステリー

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Strange Horticultureってこんなゲーム

イギリスのBad Vikingが開発したオカルトパズルゲーム

舞台は古代の魔術やカルト宗教が混じったヴィクトリア朝時代の奇妙なイギリス。さまざまな人が行き交うアンダーメアという街で祖父が経営していた植物店を引き継ぐことになった主人公は、百科事典を片手に客が求めている植物を探し出し、街の人から信頼を得ると共にこの世界の暗い謎を明かしていくことになる。

植物店の経営

お金を稼いで店を広げていくような経営ゲームではなくあくまでミステリーが本体

薬草師として店に立ち、毎日次々とやってきて頭痛や睡眠不足などの悩みを訴えてくる客に対して治療できる植物を提供するのが主な仕事になる。ただし店主は店を引き継いだばかりの素人同然。客を見ただけですぐに治療薬がわかるような専門的な知識を持ち合わせていないので、先代が残した店の棚から客の求めている植物を自力で探す必要がある。

やり方はまず客が欲しがっている植物の名前を教えてくれるので図鑑を引き、その植物の花や葉の色、形、匂いなど特徴を確認。たまに情報が少なかったり断面図とかしかなくてわかりにくいものもある。そして棚に並んだ植物を顕微鏡でじっくり観察して図鑑の内容と照らし合わせる。最終的に棚から選んだ植物を客に渡して注文と合っていれば取引が成立する。

やってくる客はほぼ常連。
個々にユニークなストーリーがありこれが不気味に発展していく。最初は普通の客だったのに仲良くなってくるとだんだん雲行きが怪しくなって・・・という感じ。どの人に加担するかはプレイヤー次第で、終盤に8つのエンディングのいずれかに分岐する。

ラベル

この世界にお金の概念はなく客からは報酬として他の植物の情報が与えられ図鑑が埋まっていく。こうして情報がどんどん増えるにつれ植物を一つ一つ確認するのが怠くなってくる。そこで役立つのがラベル機能。名前がわかった植物をラベリングしておくと未知の植物が一瞬でわかるから消去法で目的の植物が見つけやすくなる。ラベルの名前はキーボードで入力することもできるが、オプションで自動入力にした方が楽なのでゲームを始めたらすぐチェックを入れておくといいかもしれない。

探索

経営は植物を当てる「推理」だが、探索は植物を探す「謎解き」。

客が注文した植物が店の棚に無いときは、地図を見て新たな植物を探しにいく。探索は地図の座標をクリックするだけで結果が出る簡単な作りになっているが、一回探索するとしばらくできない。そのため闇雲に探しても時間がかかるだけなので、毎日送られてくる手紙や客からの情報を手がかりに植物がありそうな場所を探すことになる。この「手がかり」というのがパッと見ではわからない謎解きになっている。

良かった点

・ダークファンタジーな世界観とそれにマッチした不気味なストーリー
・操作が直感的で、実際に図鑑に引いたり植物を並べたりするようなリアルな感覚で遊べる
・一つの棚に好きな花を並べられるなど園芸にもこだわれる
・カウンターにいる黒猫がまた良い雰囲気。撫でると鳴き、目でマウスカーソルを追いかけたりしてかわいい
・謎解きは繰り返しではなくどれも斬新でパターンが多い
・3段階のヒント機能
・日本語対応

微妙だった点

・現状では解けない謎解きを投げかけられることがたまにあり

 

総評

72/100

奇抜な世界観とストーリー、そして薬草師体験がうまく絡んだ程よいミステリー。謎解きに頭を抱えることもあるけれど理不尽さはなくちょうど良いバランスの難易度。ちょっとした謎解きゲーとしては満足感があるゲームだったのでおすすめ。

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