闇を払う勇者となって世界を救う王道RPG「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」の紹介レビュー

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ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて Sってこんなゲーム

スクウェア・エニックスが送る、いわずと知れた国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズの11作目。

ストーリー

ストーリーは王道中の王道。
勇者の血を引く主人公が立ち上がり、闇を払いながら魔王の復活を食い止めるお話。しかし順風なのは序盤まで、そこから紆余曲折を経て真の勇者を目指す物語となっている。わかりやすい英雄譚ではあるが、結構ダークな一面もあって敵の過去や内側の部分にも踏み込んで描かれている。

メインストーリーの中には過去のシリーズから引っ張ってきた物もある。
ダメダメな王子を手助けしたり、人間と恋をした人魚を救ったり・・・。個人的にはもっと新鮮味が欲しかったのだが、懐かしくて嬉しいと感じる人もいるみたいなのでここは評価が分かれそうなところ。

2Dと3Dを切り替えられる

最初に見たときは衝撃が走ったシステム。
あらゆるファン層の要望に応えた結果なのだろうけど、ここまでやるかと。古参ファンに向けた2Dへの切り替えもそうだが、挑戦的なプレイヤーに向けた公式縛りプレイの導入や、面倒なのが嫌いなプレイヤーのために移動も改善されていて、今作は万人が不満なく遊べるよう隅々まで配慮が行き届いていると感じる。

3Dの特徴

まずグラフィックがとにかく綺麗。
前作の9が3DSで原点回帰を目指した見た目だったので、とんでもない進化を遂げたように感じる。キャラの表情なども豊かでフルボイスなこともあり、ストーリーへの没入感を味わいたいなら3D一択といったところ。また、敵がシンボルエンカウントになるので不要な戦闘を避けられるといった利点もある。

2Dの特徴

昔ながらのドラクエが楽しめる見た目。
俯瞰視点で周囲の状況が把握しやすくアイテムの見逃しが少なく済むのが良かった。ダンジョン内では似た構造をぐるぐる回ることもよくあるため、迷いやすい、酔いやすい人なんかは2Dの方をおすすめ。

戦闘

4人のパーティーを組んで戦う従来通りの戦闘システム。
各キャラは多少ステータス差などはあるものの他で代用できない強力な魔法やスキルを持っており、「このキャラを入れたい、でもあのキャラも使いたい」と最後までパーティー構成に悩まされる良いバランスになっている。

また前作まであったイマイチ使えない「テンション」に代わって「ゾーン」というシステムが追加され、これがまた戦闘の良いアクセントとして機能している。ゾーンに入ると数ターンに渡ってステータスが一時的に高まり莫大なダメージソースが期待できるほか、特殊効果を狙った仲間同士のれんけい技も使えるようになる。

ボス戦では「事故を未然に防ぐ」ことが重要でそれに伴う長引く戦闘での「MPの枯渇」が心配されるところだが、ゾーン時の立ち回り次第でこれが有利にも不利にも働く。これまで通りのドラクエの戦闘に加えてこのゾーンの導入により戦術性が強化され、戦闘面は個人的にはかなり良くなったなぁという印象。

良かった点

・王道だけど捻りも加えられた波乱万丈なストーリー
・100時間を優に越える大ボリューム、一直線で進めると表クリアまで50~60時間程度
・ストーリークリア後の裏面、カジノ、サブクエスト、メダル収集、鍛冶を極める・・・などやりこみ要素も十分
・2Dと3Dの切り替え
・レベル上げの必要がないぐらいサクサク進められる(縛りプレイ、表クリア後は別)
・BGMの変更が可能
・種類は少ないけれど見た目をおしゃれな装備に変えられる
・フルボイス(主人公は喋らない)

微妙だった点

・過去シリーズに登場した既視感のあるクエスト
・ギャグや下ネタが昔のドラクエのノリのままで、3Dで見るとややきつい場面がある

 

総評

90/100

内容もボリュームも大満足。
ドラクエの集大成といっても良い出来映えで、ストレスや不満に感じる部分もほぼなく、ドラクエファンならやらない理由が見つからない。やっぱりこのシリーズは名作揃いであることを再確認すると共に発売が決定した12への期待も高まった。RPGが好きな人には是非ともおすすめしたい。

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