ロードス島戦記ーディードリット・イン・ワンダーラビリンスーってこんなゲーム
日本のTeam Ladybugが開発したメトロイドヴァニア風の2Dアクション。
主人公の「ディードリット」はハイエルフの女戦士で、多種多様な近接武器と弓矢を扱える。そして精霊を呼び出せる召喚士でもあり、炎と風を司る2体の精霊をうまく切り替えながらモンスターが巣食う広大な迷宮を攻略していくことになる。
◆精霊
前作「東方ルナナイツ」では時間を操り、本作では精霊を操る。
呼び出した精霊はディードリット本体に憑依して攻撃の属性と本体の耐性が変わり、敵の弱点属性を突くとダメージが約倍、敵の攻撃と同じ属性にしておくとダメージを受けない上にMPが回復する。強大なボス相手でも属性と耐性さえ気をつければどんな状況でも覆せるので精霊の力をうまく使い分けることが攻略の鍵となる。
◆マップ
マップは複雑でなく普通にやってるだけでほぼ全て埋まっていくシンプルな作り。
マップの仕様も親切で、赤緑黄など扉の色がマップに表示されているから後から地図を見て「ここなんで行き止まりなんだっけ」と足を止めることもなく各色の扉を開ける仕組みを解いてからスムーズに再訪できる。全体的に道の分岐も少なく迷子になりにくい優しいマップ仕様となっている。
ただマップがあまりにシンプルすぎるため、次の行き先に悩まされたり「何もないマップの空間」に探索欲求をくすぐられるようなこともないのでちょっと面白味には欠ける。隠し部屋も3つほどしか見つけられず、メトロイドヴァニアにしては探索を重視した作りでもなく探索自体はそこまで楽しめなかった。
◆難易度
ボス戦や一部のギミックでは精霊の素早い切り替えが必要になるが、前作と比べるとシビアな操作もなく難易度はそこまで高くない。
精霊はダメージを与えるとレベルが上がり、逆にダメージを受けてしまうとレベルが下がるのだが、最大レベルの3になると徐々にディードリットの体力が回復するようになる。そのため片方の精霊をレベル3の回復用にしておくと何かと便利。敵に接近しないと回復しなかった前作よりも回復が容易で、かつ用意されている魔法攻撃がどれも強力で本作の主人公には隙が全くない。一部のボスを除くと近づいて戦う必要もなく離れても無限に体力とMPが回復していくため、レベル3の精霊がダメージを受けないようにさえ気をつければそれほど苦労させられることはなかった。
良かった点
・剣に魔法と召喚と多彩なアクション
・精霊システム
・マップの密度が濃くてテンポ良し
・緻密なドット絵で動きも滑らか
・ボス戦がほどよくある
・武器が豊富にあり、雑魚敵のドロップ品がその時点での最強武器だったりするので侮れない
・前作より易しい難易度で万人向け
微妙だった点
・探索のやりがいはあまりない
・ストーリーは原作ファン向けといった感じで、入り込めるほどの内容ではなかった
・クリアまで6時間程度のボリューム
◆総評
67/100
良質なアクション。
昔懐かしい感じのファンタジーの雰囲気を味わいつつ妖精のシステムはエリアにもボス戦にもメリハリが生まれて面白かった。
ボリュームは短くストーリーや探索にそこまで深みがあるわけでもないが、小粒なアクションをしたい人におすすめしたい。