地獄からの生還を目指すヘヴィメタ2Dアクション「Slain: Back from Hell」の紹介レビュー

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Slain: Back from Hellってこんなゲーム

ヘヴィメタルのBGMとゴシック調の悪魔的な雰囲気を併せ持った2Dアクション

主人公は邪悪な支配者ヴロール卿と戦うためにあの世から呼び戻されたアンデットの戦士バソリン。長い眠りから目覚めたバソリンは、神々から与えられた使命を果たすべく混沌とした地下世界で暴君の軍団に挑むことになる。

 

ゲームプレイ

ヴロール卿の手下やペットが支配している6つのステージ攻略を目指す。

メトロイドヴァニアではなく、ボスまでの道のりは一本道。探索要素としてはたまに隠し部屋があるぐらいで、コレクションアイテムが手に入るだけ。

主人公バソリンの武器はただの剣だが、敵の弱点に合わせて氷と炎属性の武器にいつでも切り替えられる。通常攻撃を連打するとコンボになり、長押しすると溜め攻撃。溜め攻撃は剣が光ったタイミングでボタンを離すと発動する。

通常攻撃の他にMPを消費して魔法で攻撃することもできる。こちらは撃てる回数は少ないものの、遠くの敵に攻撃できるのがとにかく便利。

防御アクションはダメージを軽減するだけのガードと使いどころが限られているバックステップだけでいまいち頼りないが、敵の投射物を剣で跳ね返したりタイミングよくガードして敵をスタンさせるカウンター技が非常に優秀

スタンした敵を攻撃すると大ダメージを与えることができ、なぜか周りの敵も同じ分だけ食らうので複数の相手を巻き込むとテンポよく爽快に倒せる。

 

BGM

ゲームとしては普通の2Dアクションだが、音楽が特徴的で、バックでヘヴィメタルのBGMが延々と流れている。背景やステージの見た目はヘヴィメタバンドのCDジャケットから飛び出したようなアートで音楽と絶妙にうまくハマっている。また、開発者がスイスで活動する有名なロックバンドの元メンバーということで音楽の質の高さは折り紙つき。圧巻のギター演奏とドラムの激しい打音は、このジャンルに興味がない自分でも気分が最高潮に高揚してしまうぐらい破壊力があった。

 

高難易度

ステージには至るところに即死トラップが仕掛けられ、戦闘はジャストガードが前提となるため難易度は高め。雑魚敵の攻撃でもHPが1/4程度減り回復アイテムなどもない。

ボスは当然として雑魚敵もタフ。序盤では一撃で蹴散らせた優秀なジャストガードでも終盤では4~5回必要になってくる。レベルアップや探索して能力を上げるというのがないゲームなので、操作をうまくやるしかなく単純にプレイヤー側の練度が求められる。難易度がデフォルトの一つしかないのもアクションが苦手な人泣かせの仕様で、地獄というテーマにぴったりな容赦のない難易度になっている。

ただステージの攻略自体はそこまで難しくない。チェックポイントの間隔が狭く(終盤を除いて)、1~2回の山場を越えれば次のチェックポイントに着けるので。難しいステージでも何度も挑戦すればコツコツ進めれるため、高難易度でも理不尽さみたいなものは感じられなかった。

良かった点

・ヘヴィメタルと悪魔的な雰囲気の融合がうまく合っている
・ユニークで種類も豊富な雑魚敵やボス戦
・ジャストガードなどやりがいのあるアクション
・背景からゴア表現まで細かく描写されたドット絵

微妙だった点

・最初から最後までプレイ感が変わらずちょっと飽きる、主人公の成長や変化が乏しい(レベルアップやスキルの習得がない)
・レベルデザインが直線的で一本道(良く言えばシンプル、分岐ルートがあってもよかった)
・日本語非対応

 

総評

59/100

アクションはまずまず、どちらかというとアートと音楽の質の高さが際立った作品。ヘヴィメタとの相性抜群のダークファンタジーな雰囲気がとても良かった。ジャンルとしては死にゲーではあるけれどチェックポイントのおかげでストレスを感じさせない。最後までやって5時間とそこまでかからないので、さくっとクリアしたい人にはおすすめ。

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