エイリアンの攻撃を避けながら家族を探すアドベンチャーゲーム「Somerville」の紹介レビュー

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Somervilleってこんなゲーム

「Limbo」と「Inside」を制作したPlaydeadのプロデューサー、Dino Pattiが開発に携わっている三人称視点のパズルアドベンチャー。

舞台は突然現れた巨大な宇宙船によって支配されたイギリスの片田舎。エイリアンの襲来を受け、それまで平和に暮らしていた主人公の一家は離散してしまう。その後、気を失っていた主人公は何者かに能力を与えられ目を覚まし、妻とまだ幼い子供を探しに旅に出ることになる。

 

ゲームプレイ

ゲームの進め方は過去作と同様に、環境に溶け込んだ様々なパズルを解きながら次のエリアに進むといった内容。

会話やテキストは一切なく、ストーリーやパズルの解き方は周囲の環境から推測する形をとっている。操作は移動とインタラクトがほとんどで、ダッシュやジャンプなどのアクションは今作にはない。その代わり、横移動しかできなかった過去作品と異なり立体感を持たせた2.5Dが採用され、建物の裏側やエリアの細かいところまで移動できるようになっている。

また特定の場面では主人公はエイリアンのエネルギーを操作でき、奇妙な力で一部のギミックを解いたり障害になっている物を消去して進んでいく。

 

あやふやなストーリー

エイリアンに支配された街のアートや雰囲気は素晴らしいが、ゲームが進むと新しいことが次々に投げかけられ、終盤が駆け足なのもあってストーリーは「何が何やら」状態。

また、飼っている犬は生き生きとしているのに、主人公はマネキンのように無個性なところも話に深く入り込めない要因になっている。特にオープニングでは家族愛に溢れたシーンで埋め尽くされていたのに対して、作中では家族や犬がいなくってもまったく感情を出さず淡々と進んでいくのが違和感として残る。

前作までだったら主人公のその無個性なところが世界観的にもハマっていたが、今作のリアルなトーンには合ってないように感じられた。

 

快適に歩けないレベルデザイン

エリアは奥行きがあって移動範囲が広がったのは嬉しいが、ごちゃごちゃした環境ばかりでちょっと歩きにくいデザイン。

歩くだけでよくわからない障害物にぶつかりまくってしまうのはよくなかった。パズルに関しても、誘導やヒントがそれほどなく「どこに行けばいいかわからない」というのが当たり前で、パズルに挑戦する時間より迷ってる時間の方が10倍くらい長く感じた。

 

良かった点

・サインなどのSF映画的な雰囲気
・グラフィックは綺麗
・パズル自体はシンプルで、エイリアンの設定もしっかり盛り込まれている

微妙だった点

・足が遅い、特定の場面だけ速くなり「普段からその速さで歩いてほしい」と思ってしまう
・どこに行けばいいか道がわかりにくい
・インタラクトの判定が狭く、なかなか当たり判定が出ないことがある
・ストーリーは意図的に謎のまま

 

総評

LimboやInside並みのゲームを期待していた分、がっかり感が強め。移動にかかるストレスが高めで、前作のようなパズルを解く楽しみが半減してしまった印象。どこに行けばいいかを手探りで探すのがゲームプレイのメイン部分になるので、個人的にはイマイチだったがそういった探索ゲームが好きな人にはおすすめ。

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