過去に起こった事故の謎を解く一人称視点のサイコホラー「Psych」の紹介レビュー

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Psychってこんなゲーム

オーストリアのMediaTaleが開発した一人称視点のサイコホラー

プレイヤーは交通事故の影響で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した青年アレクサンダーを操作し、フラッシュバックされた彼の過去の出来事や悩ませている悪夢を追体験しながら、事故周辺の謎を解いていくことになる。

 

ゲームプレイ

ゲームは全5章の構成。章を進めると場面も切り替わり、それまでの章と全く別のアレックスの物語が展開される。

ゲームプレイとしては現実か幻想なのかも解らない不穏な空間を歩き回ってパズルを解く、というのを主軸に、恐怖で低下する視覚や知覚を管理したり刃物を持った謎の敵とのチェイスに迫られることもある。

 

雰囲気は抜群

全編を通してグラフィックや音楽がとても良かった

第一章ではアレックスが精神病院から退院して一年ぶりに妹のサムと会うことになるのだが、待ち合わせの公園は森の奥にあり、獰猛な動物の鳴き声や金切り声が遠くの方から聞こえていつ何が起こってもおかしくないような不気味な空気を漂わせている。

公園といっても子供が遊ぶような場所ではなく、そもそも人が普段から近寄らないような森のハイキングコースで、さらに夜更けというのも相まって歩いてるだけでもう怖い。そこでサムが誘拐されたと知り、それから深夜の森で絶対に起こってほしくないことが次々と起こり始める。これがなかなか絶望的な体験だった。

派手な演出は無いから衝撃には欠けるものの、リアルなグラフィックやストーリー、周りの環境音をうまく使ってジワジワ恐怖を感じられるゲームに仕上がっていると感じた。

 

日本語には対応してない

ホラゲーの多くはテキストを読まなくても強引に進められるが、本作の場合は厳しい。

新聞の切り抜きやメモの文章量が凄まじく、鍵の場所やパズルのヒントがその文章の中に隠されているため英文を読まないと攻略が難しくなる。その上、ストーリー重視で、主人公を追いつめる敵側の巧みな会話術も見所なため字幕もしっかり読まないと魅力が半減してしまう。

他の日本語非対応のホラゲーよりちょっとだけハードルが高いので、そこは少し注意が必要かなと思う。

良かった点

・環境と音楽がすばらしく、何も起きなくてもただ歩いているだけで怖い
・心の病を描いた悲惨なストーリー
・ジャンプスケアより背筋が凍る演出が多め

微妙だった点

・章によってはあまり面白くないものもある
・日本語非対応

総評 

57/100

環境や雰囲気がとても良いホラーゲーム。
全体的に内容も面白かったが、章によって完成度にバラツキがあり微妙な章はとことん微妙。ぐるぐるっとエリアを回るだけでゲームプレイが楽しめなかったりするので人を選ぶかなと思う。ストーリー重視のホラゲーが好きな人や英語に抵抗がない人にはおすすめ。

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