Ravenous Devilsってこんなゲーム
イタリアのBad Vices Gamesが開発した血みどろレストラン経営シミュレーション。
ビクトリア朝時代(1837~1900年)のロンドンで、血に飢えた殺人鬼の夫婦が狂気のビジネスを立ち上げる。夫のパーシバルは殺戮を繰り返し、妻のヒルドレッドがその肉を調理して客に振る舞う。
原材料は殺害した人間からまかない、原価0ポンドのレストラン経営を実現。アップグレードで店の機材を揃えつつ、街の評判を上げて大富豪を目指すゲームとなっている。
◆ゲームの流れ、時間管理システム
2階の仕立屋、1階のレストラン、地下のキッチン、プレイヤーはこの3つのフロアを行き来して夫婦に作業させる。
作業の指示操作は施設や物をクリックするだけで簡単だが、1日の営業時間は限られているので素早く操作する必要がある。といっても客足が適度に制限されていて『Overcooked』ほど忙しいわけではないので、タイムマネジメント系の中では比較的易しい難易度となっている。
2階はパーシバルが担当。
表向きは服の仕立屋だが、実態はレストランで提供される人肉を夫婦が調達する場になっている。本作はゴア描写に特に力を入れているため、ハサミで客を仕留めるアニメーションは一つの見所。
その後は服を客から剥ぎ取って手直して販売。体は後ろにある落とし戸に入れると地下までストレートに落下していく。
死体が地下に届けられると次はヒルドレッドの出番。
作りたい料理に合わせて体ごと各機材に突っ込み、切り刻んだりミンチにしていく。体が加工されていく場面もゴア度が高く、なかなかにエグい。さらに恐ろしいことにさまざまな人肉レシピが用意されており、人肉ソーセージや人肉ステーキに加え、お金で他の人肉料理をアンロックしていくこともできる。
料理ができたら一階に持っていく。店はセルフサービスになっており、(テーブルを買わなければ)自動で料理が売れるので店員の仕事までやらされることはない。
良かった点
・操作が簡単、カジュアル
・このゲームでしか作れないユニークな人肉料理
・不気味で背筋が凍るゴア表現
・内容のわりに価格が安い(520円)
・日本語対応
微妙だった点
・同じ作業がループする
・行動予約がないので作業量が多め
・ストーリーは序盤面白いが、ひねりがない
◆総評
67/100
作業の比重が大きく変化に乏しいため残念ながらゲームとしての底は浅いが、ジョニー・デップ主演のホラー映画『スウィーニー・トッド』をゲームに落としこんで舞台が完璧に再現されているのは凄い。作中で建物が以前は理髪店として使われていたなどの言及もあり映画の続編を匂わせた作りになっていて、開発者の映画への愛と作品への心血が注がれているのを感じた。アイデアは非常に面白く値段も良心的なのでやる価値は十分にあると思う。おすすめ。