月影のシミュラクル -解放の羽-のトレイラー動画
月影のシミュラクル -解放の羽-ってこんなゲーム
概要
・からくり屋敷で生き人形の伝説を紐解くノベルゲーム。
・日本のAppliqueが開発、2019年7月26日にリリース。
あらすじ
森に囲われた地方都市、伊沢街。
ここでは如月という古くから続くからくり職人の一族がおり、発明家や研究家たちが如月から最先端のからくり仕掛けの物を導入することで地方は発展してきました。数年に一度、如月家では結婚式を模して「人間と人形が結婚する儀式を行う」という奇妙な風習があり、代々如月の当主が花婿役として参加することになっていましたが、現当主の如月 兼定は前回の儀式の後で大きな火傷を負い、今回はその役を辞退。
そこで如月の分家にあたる卯月家の息子、卯月誠一に白羽の矢が立つこととなり、その話を快く承諾した誠一は、花婿の代役を務めるため幼少期に暮らしていた伊沢に帰ってきます。
ゲーム内容
本作は物語を読み進めるノベルゲームとなっています。
エンディングは13あり、通常ルートは2つ、他はヒロインたちとのルート。プレイヤーの選択で分岐していきます。
すべてのルートクリア後は後日談を見ることができます。
登場人物
▼卯月 誠一
CGはあるけれど立ち絵は無し。
如月家の分家の息子。幼い頃に火事で家が焼かれたため伊沢を離れ、「如月 紅」の旦那役として帰ってくる。幼なじみたちとの再会に胸を躍らせるが、からくり屋敷をめぐる一連の事件に巻き込まれていく。
▼如月 零
如月家の令嬢。
誠一とは幼い頃に兄妹のようにして過ごす。
▼如月 紅
約400年前に如月家の初代当主によって作られた零の容姿と瓜二つの人形。度々、誠一の前に現れて話しかけてくる。本当に人形なのか、単なるシミュラクラ現象(点が3つあると人に見える錯覚)なのか、零が言うように儀式の催眠効果なのか、零が紅を装っているのか、その本性は謎に包まれており、誠一はさまざまな疑問を抱えながら紅と接することになる。
▼野上 美優
如月家に対して偏見が無く、誠一や零とも仲が良い共通の友達。伊沢街でバイトをしている。
▼水無月 一葉
如月家の分家の娘。過去の火事で家族を失い、今は祖母に引き取られ如月家でメイドをしている。誠一のことを実の兄のように慕っている。
▼一条 忍
誠一と仲が良い友達。
出番は少ないが、しっかり者でいざというときに助けに来てくれる。数年前に血を抜かれて3人が命を落とす吸血鬼事件があり、伊沢街の人々を震え上がらせた。その事件により母親を亡くす。
▼如月 兼定
如月家の現当主。過去の火事により全身に大火傷を負っている。通常ルートでは最初の被害者であり、刃物で切り裂かれ無惨な姿で発見される。
ゲームの操作
ゲームコントローラー、マウスキーボードで操作します。
良かった点・微妙だった点
良かった点
・多くの不気味な謎を解き明かす和風伝記ストーリー
・バッグログ、オート、スキップ、フローチャート、CGといったノベルゲームに欠かせない機能がしっかりあって操作もしやすい
・展開が早くてテンポが良い
・女の子たちがみんなかわいく、攻略も可能
・エンディングがたくさんありそれぞれ見どころがある、特に紅ルート最後のTrue Endが泣ける
・ボイス付き
・フローチャート機能により2周目以降のルート管理が簡単
微妙だった点
・重要に見えない選択肢でルートが分岐する
・話がすんなりと進みどんでん返し要素は薄い
総括
11時間で全ルートクリア。
蜘蛛、人形、風習、土着信仰など日本の伝記物が好きな人の心をくすぐるような設定がふんだんに使われていて、個人的にはかなり楽しめました。展開が早くて文章は平易なので読みやすくダレにくい点も良かったです。意外とギャルゲーとしての側面が強く、各ヒロインとのエンディングが2つ以上あり、その後のハッピーエンドまでしっかり描かれているところが好印象ポイント。特に個人的には紅ルートで何度もグッと来ました。さまざまなルートをやることで全体像が見えてくる作りになっているため、どのルートもやりがいがあります。微妙だった点は、話は面白いけれど紅ルート以外は結構あっさりしていて、全体的にもう一捻りぐらい欲しかったのと「街へ行く」「部屋から出る」といった選択肢でルートが決まってしまうため、知らない間にヒロインのルートに入ってしまうところが微妙でした。そのルートもそれはそれで楽しめたので良かったですが。値段はボリュームに対してちょっと高めです。公式サイトにデモ版があるのでまずはそっちからやってみるのが良いかもです。伝記ものが好きな人、ギャルゲーがやりたい人にはおすすします。