チラズアートの15作目で、
小学3年生の男の子が主人公のサイコホラー。
今作は田舎で起こった誘拐事件について描かれており、
学校や家で日々を送りながら事件に触れていく。
日本語対応、今作はボイスもあり
チラズアート作品の特にヒトコワ系は
女性主人公が多い印象だけど、今作の主人公は男の子。
いつもより視点が低いのが新鮮で、
大人と会話するのも見上げる形になるのがちょっと怖い。
いかにもこれから「誘拐」されますよ
と宣言してるようなタイトル名だが、
それ以上に主人公の家庭環境の方がトラウマだった。
数ヶ月前に家から出ていった母親、
その後に失踪した姉、
ひとりぼっちで生活するシーンは
学校などの雰囲気とはまた違ってかなり重い。
誘拐をテーマにしながら家族のことも絡めて幾重にも連なった話になっていて、現実味を帯びた物語にチラズアートらしさを感じた。
学校で不吉な噂を散々聞かされた後の
下校時間が一番怖かった。
今作は過去作と比べて叫んでしまうようなシーンは少ないけれど、
自分の幼少期を振り返って
「あー昔こんなの怖かったなぁ」と懐かしくなる設定が詰まったゲームだと思う。
◆総評
内容はいつもながらドロドロとしたヒトコワ系だが、子供をも巻き込んだ話がこれまでになく切なく、怖さよりも心苦しさが先に立つホラーゲームだった。全体的に怖さは薄めだけど、いつものチラズアートなのでファンなら楽しめると思う。おすすめ。
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