Unheard ー罪の代弁ーってこんなゲーム
中国のNEXT Studiosが開発したミステリーゲーム。
新技術で作られた「声探」システムを使って犯行直前に録音された音声を再生し、現場の会話などを聞いて未解決事件を解明する作品。
本編全5つのチャプターと無料DLCは日本語音声に対応しており、一つの事件につき10分前後の音声が流れる。(DLCは約30分の長編)
ゲームの流れは、
①音声再生と共に事件当時の人々の会話や行動が再現される
②プレイヤーも同じ空間に存在しておりマップ上を移動して手がかりを集める(部屋によって会話の内容など得られる手がかりが異なる)
③事件が発生すると音声再生が終了
④得た情報を元に犯人やミッションで指定された人を特定する、真相が不明な場合はもう一度最初から再生するかシークバーで聞きたいところからやり直し
といった感じで進んでいく。
他の推理ゲームとの違いはインタラクティブ性が殆どないこと。
プレイヤーは実際の現場にいるわけじゃないので、人に話しかけたり、物を調べたり、事件を未然に防ぐといったことはできない。
画像や映像、字幕すらもないため「音」がなにより重要。
周囲の音によく耳を傾け、情報を集め、事件を解決していこう。
良かった点
・一筋縄ではいかない、巧緻に練られたミステリー展開
・音がコンセプトになっているだけあって音の質がとても良い、実際の事件現場にいるかのような没入感がある
・早送り、巻き戻し、シークバー、といった機能が備わっており、やり直しが苦にならない
・ゲーム内でコメントを打てるのでメモをわざわざ準備する必要もなし
・マウスクリックだけの簡単な操作
・丁寧なローカライズ、声優さんの演技も素晴らしい!
気になった点
・推理ゲームとしてはやりごたえのない難易度
・ボリューム(無料DLC除いてクリアまで7時間ほど)
推理の難易度はやや低め。
人々の行動や会話の内容がそのまま答えになっているので、推理によって答えを導き出す感覚は同ジャンルのオブラディンやHer Storyなどと比べると高くないかなと思う。推理ゲームというより、聞くミステリー小説やオーディオノベルといった方が近いかもしれない。犯人がすぐにわかってしまっても、それは一断片に過ぎず、そこから二転三転とする展開がいかにもミステリーという感じで楽しめる。
そしてもう一つ良かったのがローカライズの質の高さ。
中国のゲームということで遊ぶ前は翻訳に不安があったが、人物名が日本人の名前になっており、会話にも違和感がない。声優さんの演技も力が入っていて癖の強いキャラを見事に演じており、キャラの立ち絵がなくても話を聞いているだけで人物像がスッと頭に入ってくる。
ローカライズや操作性も良く、ゲームプレイも非常に快適。頭を悩ませるような推理ゲーム・・・ではないけれど個人的には非常に面白かった。気になった人はやってみてほしい。