地牢100ってこんなゲーム
「地牢100」は、中国の可布和常常诶が開発したデッキ構築型のローグライク。
同ジャンルでいえば「Slay the Spire」が有名だが、そちらとは似ても似つかないゲーム性。プレイヤーがやることはスキルカードの購入とデッキ構築のみと限られており、戦闘自体は自動で行われるなどほぼオートチェスと同じ仕組みが採用されている。
100種類以上のカードからデッキを作りつつ、ダンジョンの中をひたすら進んで奥にいるドラゴンを倒すというのが目的となる。
◆ゲームプレイ
主人公は冒険者1人だけで、パッと見はハクスラアクションっぽくも見えるが自キャラを操作することはできない。アクション性はなく、ダンジョンを攻略するために「どんなスキル構成にしていくか」といった戦略的な部分に焦点が置かれている。
◆デッキ構築
ダンジョンを一階層進むごとにショップ画面に移り、ランダムに並べられたカードを自由にどれでもコイン3枚で購入できる。
コイン1枚で引き直したりコイン4枚をショップに投資することも可能。投資してショップのレベルが上がると店に並ぶカードのグレードが上がり持てるコインの最大値も増えるので、できるだけカードを買わないように節約して投資の方に回すのも手。
それぞれのカードは能力が異なるのはもちろん、「属性」と「種族」も異なる。これもオートチェスと同じで、たとえばコンバット属性のカードを3枚デッキに入れておくと物理攻撃 +175%アップ、といった具合に対象カードの能力が上がるので同じ属性や種族でまとめて強いデッキにしていくこともできる。
また、同レベルの同じカードを3枚持っていると自動的に合成されてレベルが上がる。後半のカードはレベル1でも強力なものが多いが、序盤のカードでも諦めずに集めればそれらに匹敵するほど強くなったりもする。
単純なカード性能以外にもこういった「属性ボーナス」や「レベル上げ」といった要素があり、変化に富んだデッキ構築を楽しめる。
◆オートバトル
戦闘は自動で行われるのでプレイヤーはキャラが戦うのを眺めるだけ。
1階の攻略にかかる時間は2~3分ほどで、2倍速や4倍速にして時間を早めることもできる。キャラの挙動としては持っているスキルを全部ぶん回すヴァンサバなどと違って左から順番にスキルが使われていく。
そのためスキルの配置場所も重要。再使用時間が短いスキルを一番左に配置してしまうと、そればかり使われてしまい他のスキルが腐ってしまうので要注意。
◆強くしすぎると難易度が跳ね上がる
周回前提のゲームで、1周目は15階、2周目は30階、3周目は45階と周回するごとにダンジョンが深くなる。
最後に登場するラスボスを倒すとそのキャラクターはクリアになるのだが、ラスボスを倒したキャラクターが次の周回からその階のボスとして君臨するという仕様がちょっと面白くない。
ボスが強くならないように次の周回のことを考えてデッキを調節する必要があり、ラスボスの階になるとデッキからカードを売却したり、わざと手加減してデッキを組むことになる。「最強のデッキを作る!」というよりギリギリなんとか攻略できるぐらいのデッキ構築を毎回目指すのでそこが人によっては微妙に感じると思う。
良かった点
・アクティブスキル(打撃、魔法、召喚)、自動発動スキル、パッシブスキルとカードの種類が豊富で一通りのものが揃っており、特に召喚スキルが充実しているのが他とは違って個性的
・操作はマウスのみ、戦闘はオートバトル、ちょっとした合間でも気軽に遊べる
・デッキ構築以外にもショップへの投資やコインの運用など考えるところが多い
微妙だった点
・敵の種類が少なく風景は繰り返しで見た目は一昔前の平凡なグラフィック
・説明やチュートリアルが足りない、とりあえずやりながら学んでいく手探り感は面白い
・強くしないようにデッキを作る必要がある
・日本語非対応
◆総評
65/100
デッキ構築が多様で奥深く、特に召喚系が揃っているのでネクロマンサー好きとしては嬉しい。色々なキャラクターがいるので遊びごたえがあり、周回によるやりこみボリュームも十分すぎるほど。オートチェス系はPvPメインで時間制限もあり覚えることも多く初心者にはとっつきにくいところがあるが、本作はシングルでとてもお手軽に楽しめるのでオートチェスやってみたい人には特におすすめ。