Chop Goblinsってこんなゲーム
「DUSK」の制作者David Szymanskiによる新作コメディFPS。
◆あらすじ
夜な夜な近くの博物館に忍び込んで品々を物色するのが趣味だった変わり者の主人公。しかしあるとき、大事に保管されていた箱をうっかり開けてしまい、中に入っていたタイムトラベルのアーティファクトが起動。それと同時に封印されたゴブリンたちも解き放たれてしまう。このことについて少なからず責任を感じた主人公は、謎の力で開かれたポータルを使って博物館、街、ドラキュラ、古代ギリシャ、サイバーパンクなど時代を超えて移動し、世界中で破壊行為を繰り返しているゴブリンを追いかけていくことになる。
◆ゲームプレイ
ナイフと銃のみのシンプルなFPS。
グレネードといった戦術武器やジャンプなどのアクションもなく、キーバインドがないのは残念だが操作性は非常に洗練されている。
FPSとして銃が強力なのは当然として、本作はナイフの方も非常に使いやすい。ダメージが大きく、ほとんどの場面で大量に出てくるノーマルのゴブリン程度ならたった2回突き刺すだけで倒せる。その火力もさることながらスピードも異常に早く、ナイフでゴブリンをChop Chop(切り刻む)しながらテンポよくステージを進められる。
銃の方はピストル、ショットガン、機関銃、杖(?)とそれなりに種類が揃っておりレベルクリアで開放されていく。杖は振るだけで前方の敵をすべて倒せるチート武器で、これまでの武器の概念を破壊するほどぶっ壊れた性能になっている。
ゲームは5つのステージで構成されている。
どのステージも敵の大半はゴブリン。ナイフを投げるゴブリン、ゴーレムタイプのゴブリン、近未来型のゴブリンとそのステージの特徴を捉えた個性的なゴブリンたちが登場する。
このゴブリンたちが「Nice to meet you!」と元気よく挨拶してきたりチーズの保管場所を聞いてきたりするので、敵ながらどこか憎めない存在になっている。陽気で、おバカで、最後の方は愛らしくも感じた。かわいくて倒すのは惜しいけれど、やられっぷりの方も見事で爽快感を高める方にも一役買っている。
良かった点
・難しいところがないシンプルなFPS
・ゴブリンの愛嬌
・ナイフだけでも勢いよく進められる
・丁寧に作られたレベルデザイン
・5つの難易度設定
微妙だった点
・セーブ機能はない(レベルセレクトからやり直せる)
・1週1時間ほどの小さなボリューム
・キーバインドなし
・日本語非対応
◆総評
60/100
ゴブリンたちと戯れられる一口サイズのFPS。長時間遊べるようなゲームではないが、気晴らしにはちょうどいいと思う。DUSK同様、作者のセンスが素晴らしいのでFPS好きにはおすすめ。