「飢えた子羊」紹介レビュー 4人の子どもを連れて旅する中華風アドベンチャーノベル

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ZerocreationGameが開発した
中華風アドベンチャーノベル

荒廃した明朝時代の末期。盗賊の「良」は、顔なじみの依頼人に頼まれ、4人の子羊(こども)を洛陽まで連れて歩くことになる。

しかし道中で、全国からこどもを集めて食らう「豚妖」の噂を聞いて・・・
というあらすじ。

殺伐とした中国を歩く。陰惨でダークな展開も満載だけど面白い。
翻訳の質も良く、満足度が高いゲームだった。

これがゲームの開始画面。

ふつうなら「続きから」とする文字が「旅を続ける」に置き換わっており、物語もまさに旅をテーマにした内容だった。

物語の大半は、
洛陽までの1ヶ月の道のりが描かれる。

天災、飢饉、戦争など不幸が重なって荒れまくる乱世を渡り歩くので、これがけっこう重い。

旅の途中で出会う人たちは、ここまで人って堕ちるのか・・・って民度で、たまの選択次第ではすぐに「BADEND」と常に死と隣り合わせ。

しかも、旅だけでも大変なのに、目的地の洛陽で待っているのが「豚妖」、というのがさらに旅の気持ちを重くさせる。明の皇帝すらも頭が上がらないその不気味な存在。

そんなラスボス的な怪物にどう挑むのか、良たちの行く末が気になって、個人的には話にグイグイ引き込まれた。

キャラは日本でも受けるタイプですごく良い。

特に剣の腕がたつ「良」と、頭の切れる「満穗」のコンビが所々で光る。旅を通して信頼し合えるバディ物でカッコいい。

女の子らのデザインだけ見るとギャルゲー的なゆるい雰囲気があるが、実際には人が食べられるとかグロい場面もあるので注意。

さすがに細かなCGまではないが、
テキストだけでも吐き気がするグロさだった。

クリアまでは8時間程度。

全然ダレないテンポの良さで濃い体験ができた作品。

飢餓によって心も貧しくなる人々とは逆に、悪党だった主人公がヒロインとの出会いをきっかけに成長する姿が泣ける。中国独特の雰囲気もあって、日本のノベルゲーとはまた違う面白さ。
価格もそこそこ安く、それ以上の満足度だったのでおすすめ。

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