ロシアのMorteshkaが制作した
アドベンチャーRPG
19世紀ロシアの仄暗い田舎を旅しながら
婚約者のために悪魔と戦うゲーム。
スラブ民話に基づいた物語が特徴で、
村人や悪魔たちと会話を交わしながら進んでいく。
カードによる悪魔との戦闘もあるが、
どちかというとストーリーと会話がメイン。
8月に日本語が追加されたおかげでわざわざ翻訳する必要がなくなり、濃厚な物語をじっくりと楽しめる一作になっている。
◆ストーリー
魔女になる運命を持った少女ヴァシリーサは、
その運命から逃れ、愛する人と普通の生活を送っていた。
しかし、結婚式を行う前に、その婚約者が不可解にも自らの命を絶つ。
その後、地獄に落ちた婚約者の魂を救い出すため
ヴァシリーサは再び魔女の道に進むことを決意。
封印さえ解ければどんな願い事も叶えてくれるという「黒の書」を手に携え、7つの封印を解く儀式の旅に出ることになる。
◆ゲームプレイ
章ごとに変わるすごろくマップを一マスずつ進んで目的地を目指す。
止まったマスによってアイテムの売買や
チョルト(悪魔)と遭遇するなど様々なイベントが発生する。
イベント部分は普通のビジュアルノベルのようだが、ロシア民族学の専門家がゲーム制作に携わっており、設定の作りこみは本格的。
また、ロシア音声でテキストを丁寧に読み上げてくれるのが味わい深い。テーブルトークRPG風の落ち着いたナレーションが雰囲気を盛り上げてくれる。
テキスト中に出てくるスラブ語の用語はオレンジ色で表示され、文字の上にマウスホバーすると詳しい説明が見れるのが親切に感じた。
さらに、世界観やチョルトについてまとめられた百科事典も充実しているので、予備知識ゼロでも楽しめるのが嬉しい。
戦闘システムはSlay the Spire風のカードバトルになっているが、
・カードの絵が地味すぎてわかりにくい
・難易度が低めで刺激が少なめ
・毎ターン自分でダメージ計算をするのが面倒(HPゲージ等でダメージ予測が出ない)
など、他にも気になることが多くてあまり洗練されてない印象。
シンプルなカードゲームとしては楽しいが、シナジーやコンボなど戦闘に奥深さを求めている人には合わないかもと感じる。
◆気になった点
・予算不足?のせいかキャラクターの絵が安定しない
・カード戦闘のテンポ
・全体的に進行がスローペース
◆総評
スラブの民話というマイナーな題材が新鮮で、
暗いながらも落ち着いた雰囲気が最高に良かった。
過去にEpicで配布されたこともあって持っている人も多いはず。カードゲームとしてはまずまず・・・普通かなという感じだがストーリーに触れたい人にはおすすめ。