オクトパストラベラーってこんなゲーム
幻想的な世界の様々な場所を旅しながら8人の英雄の物語を追っていくJRPG。
ドット絵と現代的な3Dの融合による美麗なグラフィックでありながら、ゲームプレイとしては昔ながらのRPGのような体験。ボリュームの方もクリアまで約50時間 + やりこみ要素と遊びごたえのある内容になっている。
他にも良かった点として、
・絵がとても綺麗、ボスや画面背景も迫力があって見ごたえあり
・フィールドの静かなBGMからボスの熱い戦闘曲まで音楽がどれも耳に残る良曲揃い
・ブレイク(弱点攻撃でスタン)とブーストの組み合わせによって単調さを感じさせない戦闘システム
・ブレイク時のSEの気持ち良さと、そこから畳かける攻撃の爽快感
・サブジョブシステムにより、キャラの成長に幅を持たせている
・街にいるNPCにも色々と干渉できるのが独特
・セーブポイントが豊富、どこからでもファストトラベルできるなどプレイの快適さを優先したデザイン
・手描きのような優しいフォント
など、ビジュアル面やシステム面が特に優れている印象。昔のFFやドラクエのようにシンプルで遊びやすいので幅広い層が楽しめると思う。
戦闘はコマンドバトルでブーストと弱点を突くことで有利に戦う仕組みとなっている。
戦闘中はブーストの使いどころやブレイクさせるタイミングなど戦略ゲームのような工夫の余地があり、JRPGあるあるな単調さはあまり感じられない。
キャラによってスキルや魔法や使える武器に違いはあるが、基本的には火力担当の魔法職、ブレイク担当の物理職とキャラのバランスもうまく取れているように思う。
また各キャラは固有のフィールドコマンドを持っており、街のNPCに対して、盗む、誘惑、試合といったアクションを行える。
店で買える通常装備より少し上の装備をNPCから盗んだり、強力なNPCを誘惑して戦闘に参加させたりすることができるのでNPCに積極的に絡んだ方がゲームをより有利に進められる。
個人的にはすべての街のNPCから全部盗むくらい楽しめたが、レアアイテムは盗む成功率が「3%」と低確率となっており、やりすぎると盗む→ロードの繰り返しでリセマラのような作業に嵌まってしまうので注意しよう。
気になった点としては、
・ストーリーは誰を選んでも変わらないのに最初に選んだキャラがパーティーから外せない
・街に到着→イベント発生→ダンジョン→ボス攻略とゲームの進行が毎回パターン化
・パーティー以外の仲間に経験値が入らないのでレベルがばらつきやすい
・ブレイクありきの戦闘のため雑魚戦でもそこそこ時間がかかる
・仲間同士の繋がりが希薄
という感じで気になる点も多かった。
特にストーリーは個人個人の物語を追っていくので仲間同士の絆を深めていくRPGが好きな人には物足りないかもしれない。主要キャラが大変な目に遭っているのに誰も助けず、他の仲間はどこに行ったんだ!?と思う場面が何度もあった。キャラの個性は良いのでそこだけちょっともったいない感じがした。
とはいえ全体的に丁寧に作られており、不満点も絶対的に駄目だったところは殆どない。進化を感じにくいジャンルだけど「新しいことに挑戦」している新時代のJRPGという感じがして、遊んでいて終始ワクワクさせられるゲームだった。気になる人には是非プレイしてみてほしい。