Dyson Sphere Programってこんなゲーム
中国のYouthcat Studioが開発した工場建築シミュレーション。
プレイヤーは産業ロボットの『イカロス』を操作し、採掘、生産、研究を繰り返しながら技術を発展させていく。新たな技術を用いて作業を自動化・効率化していき、惑星間を跨いだ巨大な工場帝国を作ることになる。
◆ダイソン球を作ろう
工場シムといえば『Factorio』『Satisfactory』の二大巨頭が存在しているが、本作はそれらのシステムを継承しつつ、オリジナルの要素をしっかりと取り入れ差別化されている。
まず特徴の一つとしてスケールが果てしなく大きい。
ゲームの目的は仮想空間で暮らしたいという貪欲な人類の夢を叶えるため、最先端の技術で作られたスーパーコンピューターを動かせるように、恒星のすべてのエネルギーを吸い尽くす巨大構造物『Dyson Sphere』を建築するというもの。
ロケットを作って惑星から脱出とかではなくクリア目標からすでに壮大。ダイソン球の建築は学説上では不可能と言われているそうだが、それを一人でやってのけるというところに大きなロマンを感じる。
また、プレイヤーが操作するイカロスがとてつもなく優秀で操作していて楽しい。
その場であらゆる物を作れるほか、建築は内蔵されているドローンに任せ、ジャンプすれば宇宙船に乗らなくても惑星間の移動ができる(要研究)。最初に降り立つ惑星は水で覆われていて地球に似た見た目をしているが、無数にある他の惑星もまた個性的で、飛行しながらの宇宙旅もまた一つの楽しみとなっている。
自分の惑星で手に入らない資源を他惑星で採掘できるというのもプレイの幅を大きく広げ、最初こそ資源の輸送移動が面倒なものの、研究を進めることで星間輸送ができたり、他の惑星を拠点としてメインに開発することもできる。
この辺りは工場シムというより、『アストロニーア』や『ノーマンズスカイ』のような宇宙を巡るゲームの感覚に近いかもしれない。
良かった点
・実現不可能といわれたダイソン球を作るロマン
・宇宙の移動まですべてがシームレス
・惑星外の作業も自動化できる
・グラフィック、宇宙がリアルに感じられる
・日本語化できる(ゲームパスでもできた)
微妙だった点
・研究の種類が少ない
・チュートリアルはしっかりあるが、ゲーム内の仕様や建築物の説明が足りずwikiなどを参考にしないときついところがある
◆総評
82/100
基本は作業の繰り返しで、生産ラインを作って目当ての物を作り、さらに複雑な物を作るために生産ラインを構築・・・。ただこの作業が不思議と楽しい。時間を忘れて夢中になってやってしまう中毒性がある。敵が出てきてせっかく作ったラインをめちゃくちゃにしてしまうFactorioと比べるとこちらは癒しゲー。工場建築を阻むものがないからひたすら作業に没入できる。その分、難易度も低め。ストーリーは無いけれど、宇宙に初めて飛び出した瞬間、星間輸送システムが完成したときなど感動する場面が詰まっており、その都度、胸が熱くなります。面白いので非常におすすめ。